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徐走人の雑記帳

マイナ保険証∶マイナ保険証に関する「規則」について考えてみた

投稿日:2026-03-19 更新:2026-03-19

<健康保険証の完全終了>

 2026-03末で健康保険証が完全に使えなくなる。お上のご配慮で暫定的に2026-03まで使えていたが、2026-04からはそのご配慮もなくなる。これを機に、政府が定めてきたマイナ保険証に関する色々な規則について、考えてみることにした。主に、どのような規則があり、何故そのような規則にしたか、その規則はどう変化したか、その規則の運用はどうなっているかなどを考えてみる。すでに撤回されたり、変更されたりしたものも、この際だから考えてみたい。

<通常の規則とマイナ保険証に関する「規則」の違い>

 通常の規則とマイナ保険証に関する規則の違いを考えてみる。通常の規則は、概ねその規則を定め、みんなが守っていけば、より安全になったりより快適になったりする。例えば、交通規則を考えれば容易だろう。一方、マイナ保険証に関する規則はだいぶ様子が違う。どう違うのか?
 マイナ保険証に関する規則の傾向としては、「より安全になったりより快適になったり」ではなく、その主目的が「健康保険証を使えなくし、代替えの資格確認書もマイナ保険証より使い勝手を悪くして、マイナ保険証に移行させること」にあるように感じる。
 例えば、「電車&バス乗車における精算技術の進化」と「マイナ保険証一本化」を比較してみると、「マイナ保険証一本化」の「健康保険証を廃止して、マイナ保険証利用を推進させる」ということが、如何に傍若無人なやり方かが理解できると思う。

「マイナ保険証一本化」と「技術の進化」との根本的違い
https://slowjogger.hatenablog.jp/entry/2024/12/05/075959

 次節では、実際にその傍若無人ぶりを実例を挙げて見ていこう。

<マイナ保険証に関する「規則」の実例>

 以下の通り。
1:「<規則α:健康保険証は2025-12-01に廃止する」
 当初、政府はそのように決めた。しかし、その規則を決めた政府自身が、暫定的に2026-03までは健康保険証を使って良いことにした。これは、国民に対する優しさだろうか?いや、国民に対する優しさならば、健康保険証廃止などしないハズだ。多分、マイナ保険証の人気が思ったより上がらず、混乱を避けるための対策だろう。

2:「規則β:マイナ保険証を登録したら解除できない」
 当初、一旦マイナ保険証を登録したら、解除できないという規則にしていた。評判が悪すぎて、2024-10-28から解除できるようになった。通常のシステムであれば、登録したものは解除できる。そうしなかった理由は何だろうか?マイナ保険証のシステムには、欠点が何もないという自信だろうか。私には、まったく逆の理由に感じる。自信がなさ過ぎて、「一旦マイナ保険証にした人は逆戻りさせたくない」という気持ちではないか。
 逆戻りさせたくないという気持ちは、解除申請手続きを意図的に面倒にしていることからも伺える。マイナ保険証の登録はマイナポータルや医療機関などで極めて簡単に行えるが、解除は保険者に申請しなければならず、多くの場合は紙で申請する必要がある。しかも、申請して解除されるまで2ヶ月以上掛かる。
https://slowjogger.hatenablog.jp/entry/2025/12/04/100506

3:「規則γ:マイナ保険証を登録したら資格確認書は発行されないし、マイナ保険証と資格確認書は併用できない」
 この規則もマイナ保険証に誘導するための施策と思われる。しかし、この規則もかなり無理があったようで、この掟を以下の組織や個人が破るようになった。
(A)政府
 規則を決めた政府自身がその規則を破るという暴挙に出た。それは、「後期高齢者にはマイナ保険証を持っているかどうかによらず全員に資格確認書を配布する」としたことである。
(B)一部自治体
 世田谷区や渋谷区は、国民健康保険加入者全員に対し、マイナ保険証の有無に関わらず健康保険証の代わりとなる資格確認書を2025年夏以降に一斉発送する独自方針を決めた。 
 この方針は賢いと思う。現状では、マイナ保険証を持っているかいないか、いつそれが変わるかを自治体が把握するのは極めて難しい。それを判断する手間や費用より、全員に配ったほうが簡単で安い。
(C)個人
 個人でも以下の手順を踏めば、マイナ保険証と資格確認書を同時に持てる。
①マイナ保険証を登録する。
②マイナ保険証を一旦解除する。
③資格確認書を貰う。
④再度マイナ保険証を登録するが、資格確認書は返却しない。

マイナ保険証∶マイナ保険証と資格確認書の併用
https://slowjogger.hatenablog.jp/entry/2025/12/04/100506

 つまり、「マイナ保険証を登録したら資格確認書は発行されない」という規則が相当無理があったということだろう。初めから併用を認めれば良かっただけだ。

4:「規則δ:資格確認書の発行は申請が必要であり有料になる」

 この規則もマイナ保険証に誘導するための施策と思われる。しかし、この規則も無理があったようで、申請不要かつ無料に変わった。このようなおかしい規則を設ける時点で、健康保険証に負けていることを示している。

5:「規則ε:発行する資格確認書には有効期限があり、かつ当面の間である」
 この規則については、政府は撤回していないが、「いついつから資格確認書は使えなくなる」などと発表すれば、大問題になるだろう。何故なら、マイナカードとマイナ保険証は任意だから。

6:「規則ζ:スマホ資格確認書はアプリで提示しなければならない」
 一部の保険組合などで、スマホ資格確認書が提供されるようになった。

資格確認書を専用webサイトで交付します【web交付】
https://www.its-kenpo.or.jp/hoken/situation/webkakuninsho.html

 良いことだが、このページを見るとスマホ資格確認書提供の理由が、「事務担当者様の負担軽減のため」となっている。国が決めた健康保険証廃止に伴って、代わりになる資格確認書も提供しなければならなくなり、保険組合の負担が増えていることが分かる。
 
 私が加入している保険組合も、2025-11-30からスマホ資格確認書の提供を開始している。それは良いのだが、アプリで表示した資格確認書のスナップショットしたものを提示することは認められていない。通信障害時でも認められていない。その場合は、自分が入っている保険組合に連絡して、保険組合から医療機関に資格確認結果を伝えて貰う。
https://slowjogger.hatenablog.jp/entry/2025/12/25/111420

 国が決めたこの規則も、運用までを含めて考慮した規則ではないようで、アプリで表示した資格確認書のスナップショットしたものを提示して、まったく何の問題もなく、極めてあっさり通った。
https://slowjogger.hatenablog.jp/entry/2026/03/06/103954

<何故、マイナ保険証に関する「規則」は簡単に次々と破られるのか>

 何故、マイナ保険証に関する規則は簡単に次々と破られるのかを考えてみたい。
 
1:マイナ保険証に関する規則を設ける理由
 主目的は、以下であると思われる。
①健康保険証を廃止してマイナ保険証をメインにする。
②但し、マイナ保険証は任意であるので、代替の資格確認書も提供しなければならない。
③健康保険証廃止後はマイナ保険証に誘導させるため、マイナ保険証と資格確認書の併用は認めない。また、資格確認書の使い勝手は、健康保険証やマイナ保険証の使い勝手より低くする。

2:規則を運用まで含めて徹底する難しさ
 元々、合理的な規則ではないため、規則を運用まで含めて徹底するには無理がある。
①利用者や医療機関などから、強い不満が出る。
②政府自身や一部自治体が、手間や費用の問題から、規則を破らざるを得なくなる。
③規則を破っても何の問題もないことが多い。規則を破ったほうが、逆に快適でかつ効率が良くなる。
④ちょっとした工夫をすれば、簡単に規則の抜け道を通れる。
⑤規則の抜け道を通ったとしても、それを見つける方法がなかったり、見つけるのが難しい。

3:個人でも実施可能な規則破りの実例とその効用
(1)マイナ保険証と資格確認書の併用
 →①マイナ保険証のメリットと資格確認書のメリットを両方ともに得られる。
 →②マイナ保険証推進に何の妨げにもならない。逆にマイナ保険証推進に寄与できる。
 →③マイナ保険証の改善に寄与できる。
(2)アプリで表示した資格確認書のスナップショット提示
 →①アプリによる資格確認書提示より、極めて短時間で提示できる。
 →②アプリによる資格確認書提示は通信障害時は利用できないが、スナップショット提示は通信環境に関係なくいつでもできる。
 →③病院側も短時間で資格確認できるし、マイナ保険証と比較してトラブル発生がほとんどない。
 →④オフライン資格確認書[カードサイズ・ハガキサイズ・A4サイズ]を持ち歩かなくて済む。

<笑ってしまうほど滑稽な「健康保険証の再度暫定措置延長のお知らせ」>2026-03-19追記

 この記事を投稿した直後に、以下の記事を見つけた。さて、延長する理由は何だろうか?あなたは、このような政府の決める規則に意味があると思いますか?政府の決める規則に従う必要があると思いますか?

期限切れ保険証7月末まで 暫定措置延長、厚労相(共同通信) - Yahoo!ニュース
https://share.google/iG24nhCxpVi9GrfoJ

 「何故、マイナ保険証に関する「規則」は簡単に次々と破られるのか」節での考察に寄れば、今回のこの「健康保険証の再度暫定措置延長のお知らせ」発表は、以下の3つが理由と考えられる。
①利用者や医療機関などから、強い不満が出る。
 →今回は、利用者や医療機関などから強い不満が出た訳ではないと思うが、強引に健康保険証を強制終了すると「強い不満が出そう」と政府が判断したのだろう。
②政府自身や一部自治体が、手間や費用の問題から、規則を破らざるを得なくなる。
 →見事に、政府自身が2度も破った。
③規則を破っても何の問題もないことが多い。規則を破ったほうが、逆に快適でかつ効率が良くなる。
 →「規則を破ったほうが、逆に快適でかつ効率が良くなる」の実例である。

 こうなったら、暫定措置延長ではなく永遠に健康保険証利用を可能にして欲しい。如何に、健康保険証廃止が愚策だったかの証明だろう。

<政府への提案とお願い🙇>

(提案とお願い:その1)
 もうこんな意味もなく、マイナ保険証の推進や改善にも役立たず、逆に妨げになる規則は撤廃しては如何でしょうか?お願いします。逆に意味のある役に立つ規則であれば、周知徹底しては如何でしょうか?
(提案とお願い:その2)
 何度も前言を撤回して健康保険証の暫定措置延長を繰り返す愚かなやり方は止めて、健康保険証を復活させては如何でしょうか?君子豹変という言葉があります。君子豹変してみませんか?健康保険証を復活させたら、君子になれますよ。

<注意事項>

(1)資格確認書は、自分の入っている保険組合や保険協会などによって異なるそうだ。健康保険証と同じカードサイズのものもあれば、A4サイズのもあるらしい。私の入っている保険組合は、これまではハガキサイズの資格確認書で、2025-11下旬からはスマホ資格確認書も追加された。この記事を参考にされる方は、自分の入っている保険組合や保険協会などに確認して欲しい。
(2)「今までの健康保険証は、2025-12-02以降に自分で廃棄するように」とのことだが、これはあまり早々には実施しないほうが良さそう。理由は、以下の通り。
①マイナ保険証について、前言撤回を何度か行ってきた。「暫定措置として、来年3月末までは今までの健康保険証を利用できる」としたものを更に延長する可能性もなくはない。
→「更に延長する可能性もなくはない」が、実際そうなった。[2026-03-19]
②今までの健康保険証を一旦廃棄してしまうと、健康保険証の発行は既に終了しているので、再発行できない。