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徐走人の雑記帳

マイナ保険証:マイナ保険証一本化で「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」という意味不明なものが生まれてしまった訳

投稿日:2024-11-10

<「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」という意味不明なもの>

 マイナ保険証一本化で「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」という意味不明なものが生まれてしまった。「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」というものの意味や目的を理解している人はどれくらいいるのだろうか?
 今回、マイナ保険証一本化で「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」という意味不明なものが生まれてしまった訳について、徐走人が考えてみた。参考にして欲しい。

<当初、政府が考えていたと思われるマイナ保険証の使い方>

 当初、政府はマイナ保険証のみでほとんどの国民が診療が受けられると考えていたようにみえる。税金を使って、マイナ保険証一本化推進のためのCMなどで、マイナ保険証がいかに簡単でメリットがあるかを強調してきた。
 一方、医療機関や国民から、こういう場合はどのように診療が受けられるのかという疑問に対して、後付けで「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」が出てきた。要は、マイナ保険証のみでは運用できないことが判明してしまった訳である。
 

<マイナカードとマイナ保険証の関係>

 マイナ保険証は、以下の2つの条件を満たして有効になる。
①マイナカードを発行してもらう。
②マイナカードにマイナ保険証登録を行う。
 そして、マイナカードを取得するかどうかは個人の自由となっている。マイナ保険証登録を行うかどうかも個人の自由である。

 にもかかわらず今までの保険証を廃止してマイナ保険に一本化するという方針は、相当に無理がある。この無理を通そうとした結果、「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」が生まれた。天からの恵みで生まれた訳ではない。天からの恵みを感じたい人は、以下をどうぞ。
https://youtu.be/FNUKj6qMQZw?si=MfeVVcCGczyUSFqh

<「資格確認書」が生まれた訳>

 前節で述べた通り、マイナカード取得やマイナ保険証登録は個人の自由なので、マイナ保険証を持たない人がいる。マイナ保険証を持たない人でも保険料は支払っている。そういう人も診療を受けるときに今までの保険証に相当するものが必要になる。今までの保険証を強引に廃止することになったので、今までの保険証とほとんど同じ機能である「資格確認書」を発行せざるを得なくなった。

<「資格情報のお知らせ」が生まれた訳>

 当初、政府はマイナ保険証のみでほとんどの国民が診療が受けられると考えていたようだが、その目論見は見事に外れた。どのように見事かは、以下の通り。以下の条件をすべて満たしたときのみ、マイナ保険証が利用できる。
医療機関が、マイナ保険証に対応している。
②患者がマイナカードを取得し、マイナ保険証登録している。
③患者が持っているマイナカードが有効期限内である。
④患者が登録しているマイナ保険証が有効期限内である。
医療機関に設置しているカードリーダーが稼働している。
⑥停電していない。
医療機関が導入している通信設備及び、マイナンバーシステムがサーバーを含めて正常に動作している。
医療機関に設置している顔認証システムが、正しく顔を認識できる。または、患者が暗証番号を正しく入力できる。
⑨患者が医療情報確認作業を、正しく操作できる。
⑩患者がマイナ保険証の登録解除をしていない。
⑪受診時、マイナカードを忘れずに持って行く。そして、マイナカードを紛失しない。

 万一、マイナカードしか持っていかずに医療機関で受診した場合、上に挙げたトラブルの1つでも発生したら、最悪のケースでは支払う医療費が一時的に10割負担になる。さらに最悪の場合には、受診を諦めて一旦家に帰ることになってしまい、取り返しがつかない事態になる恐れもある。実際、そのような事例があった。つまり、「マイナカード+資格情報のお知らせ」で、「今までの保険証」と同等の機能になる。ということで、受診時には「マイナカードと資格情報のお知らせ」持参が必要になる。このように、政府の目論見は見事に外れた。

<追伸>

 前節で挙げたすべての条件を満たして受診できても、安心するのはまだ少し早い。以下を確認したほうが良い。
①自分の保険証になっているか?
②医療費が正しい自己負担割合になっているか?
③自分の名前や住所の中に、●になっている箇所はないか?
 [前デジタル大臣によると、「●になるのは仕様」だそうである。”素晴らしい”仕様ですね。●で表示されたものが、様々なところで正式文書として扱ってくれるのかな、少し心配だな。新デジタル大臣も「仕様」と言うのかな?死亡診断書が、「●山●男」や「●橋●子」となっていたら、誰が亡くなったのか分かるのかな?まるで、クイズみたいだな。]

<結論>

 マイナカードを取得するかどうか、マイナ保険証登録を行うかどうかが個人の自由になっているにもかかわらず、マイナ保険証を一本化するのは、基本的に間違っている。基本的に間違っている方向に強引に進めたので、意味不明な「資格情報のお知らせ」や「資格確認書」が生まれることになった。今までの保険証を存続させるべきである。

<根本的問題とその解決方法>

 何故、このような基本的に間違っている方向に、マイナ保険証一本化を政府が強引に推進しているかの理由と、その解決方法を解説している記事を見つけた。

このままでは国民皆保険が壊れていく…金子勝「マイナ保険証は政治献金企業が儲かる究極の寄生システム」
https://president.jp/articles/-/87918