投稿日:2024-11-03
<白内障手術について>
白内障という目の病気がある。加齢によって水晶体が濁ってくる目の病気だが、元通りにはっきり見えるようにするために、水晶体の代わりに人工の眼内レンズを入れる白内障手術がある。
実は、この白内障手術は白内障でなくても実施することがある。例えば、強度近視の場合である。水晶体の代わりになる眼内レンズに度数を付けて、強度近視を緩和できる。
<眼内レンズについて>
眼内レンズには、単焦点レンズと多焦点レンズがある。機能的には単焦点レンズは予め決めた焦点のみがはっきり見えるレンズで、多焦点レンズは複数の焦点に合うレンズということになる。
しかし、これだけの情報では、多焦点レンズが単焦点レンズより優れているレンズと思ってしまうかも知れないが、どうもそうではないらしい。目の実際の症状により、どちらが適切なレンズか異なってくると考える。例えば、強度近視の場合は、単焦点レンズになるという話しを聞いたことがある。
眼科医の診察を受け、眼科医からあなたの場合は単焦点レンズにするか多焦点レンズにするか、どちらも選べますよ。さあ、どちらにしますかと聞かれたらどうするか?
<白内障手術&眼内レンズ開発業界への提言>
単焦点レンズと多焦点レンズの機能的な違いを聞き、費用面の違いを聞き、その他のメリットやデメリットを聞いても、患者が「どちらにしますか?」の答えを出すのは難しいと思う。そして、この決定はその患者のほぼ一生に関わる重大事項である。
選ぶのが難しい理由は、手術後にどのように見えるようになるのかが、話しだけでは理解が難しいことにある。「百聞は一見にしかず」という諺がある。
そこで、白内障手術&眼内レンズ開発業界へ提言したい。VR技術者などと協力して、以下のVRゴーグルのようなものを開発できないだろうか?
(1)実際に入れる眼内レンズをシミュレートするVRゴーグル。
(2)そのVRゴーグルは、以下の設定&調整ができる。
①単焦点レンズと多焦点レンズの違いを、手術前に体験できる。
②単焦点レンズの場合、その度数を調節できる。
③多焦点レンズの場合、どのような設定項目があるのか知らないが、実際に眼内レンズとして決定すべきことは、単焦点レンズの度数調整と同様に、予め体験できるようにする。
(3)患者にはそのVRゴーグルを1〜2日貸出して、普段の生活ではどの眼内レンズが自分に合っているのかを判断してもらう。
(4)各種調節はVRゴーグルのみでできるのが最善だが、それが難しい場合はスマホアプリなどで調節できると良い。できないところは、病院で調節する。
<追伸>
(1)VRゴーグルの製品名称案:眼内レンズシミュレーター
[愛称:百聞は一見にしかずVRゴーグル]
(2)私は、強度近視により眼鏡での視力矯正でも運転免許の更新が困難になったため、10数年前に眼内レンズを入れた。30〜40cmがはっきり見える単焦点レンズである。車を運転する場合には眼鏡を掛ける必要があるが、普段の生活ではほとんど裸眼で暮らせるようになったので満足している。
(3)この記事を作成している途中で、スマホやPCで白内障手術後の見え方をシミュレートするアプリを見つけた。
https://www.santen.com/jp/healthcare/eye/library/cataract/museum/vr